時宗(じしゅう)
鎌倉時代中期に一遍(いっぺん)によってひらかれた仏教(鎌倉新仏教)の宗派。
阿弥陀仏(あみだぶつ)の救いを信じ、「南無阿弥陀仏」の念仏を唱える浄土系の教えですが、特定の寺院にとどまらず全国を巡行(遊行)しながら布教を展開した点に大きな特徴。
盆踊りの起源ともいわれる
念仏踊りで知られています。
時宗のお題目は「お題目」という言葉が一般的に使われる
日蓮宗とは異なり、時宗で唱えるのは「
南無阿弥陀仏」の念仏です。
時宗は
阿弥陀仏への信仰の有無を問わず念仏を唱えれば極楽浄土に旅立てるとする教えを大切にしており、開祖である一遍上人が「踊り念仏」を行いながら全国を遊行(僧が諸国を巡り歩くこと)したことに由来します。
「時宗」の名前の由来:一日のあらゆる時間(朝・昼・夕など一日に6回=六時)に絶やすことなく念仏を唱える「時衆」という修行者の集まりが語源となっています。
一遍の教えは、「人が救われるかどうかは、信じる心(信・不信)や善悪の行為によるのではなく、阿弥陀仏の名号(南無阿弥陀仏)そのものに救いの力が完璧に備わっている」という徹底した他力本願の立場をとります。念仏を唱えること自体が即、救いにつながると説きました。
開祖:
一遍(証誠大師)(一遍上人 / 1239年〜1289年)
本尊:
阿弥陀如来
総本山:
清浄光寺(しょうじょうこうじ)(遊行寺 / 神奈川県藤沢市)
唱え言葉: 「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」
特徴
・ 賦算(ふさん): 「南無阿弥陀仏 決定往生 六十万人」と記した念仏札を、信不信や老若男女を問わず人々に配り歩く修行・布教活動です。
・踊り念仏(おどりねんぶつ): 鉢や鉦(かね)を叩きながら、歓喜のあまり踊り跳ねつつ念仏を唱える独特の儀礼です。後世の盆踊りや伝統芸能の源流の一つにもなりました。
・遊行(ゆぎょう): 一遍自身は定住する寺院を持たず、生涯を通じて日本全国を移動しながら人々に教えを説き続けました。
- 念仏踊り(ねんぶつおどり)は、太鼓や鉦(かね)を鳴らしながら「南無阿弥陀仏」と唱え、踊ることで念仏を広め、先祖供養や五穀豊穣を願う民俗芸能です。空也上人が始めた踊念仏が起源で、盆行事や雨乞いとして全国各地に伝わり、華やかな風流(ふりゅう)要素が加わったものも多い
- 日本の主要宗派:総本山・大本山一覧
- 78番札所 仏光山 広徳院 郷照寺・香川県