大国主オオクニヌシには他に4つの名前がある
大穴牟遅神オオナムチ、葦原色許男アシハラシコラ、八千矛神ヤチホコ、宇都志国玉神ウツシクニタマ
大国主オオクニヌシこと大穴牟遅神オオナムチ には、80人の異母兄弟がいて、
八十神やそがみと呼ばれていた。
八十神たちは誰もが因幡いなば(鳥取県東部)の
八上比売ヤガミヒメを妻にしたくて因幡に向かった。オオナムチは、大きな袋を持たされ
従者のように連れて行かされた。
一行が気多の崎けたのさき(鳥取市)までいくと、毛皮を剥ぎとられ裸(=皮を剥がれた)のウサギが哀れな姿で寝ていた。
八十神はうさぎに「海の塩水に浸かって、風に当たり
高い山の頂上に寝ていなさい」と教えてやった。
ウサギは教えられた通りにしてみると、皮膚はひび割れてしまい、痛くて苦しくてたまらず、うさぎは泣き転がっていた。
すると最後にやってきた
大穴牟遅神(オオナムチ )がそのウサギを見て「どうして、泣いているんだ」と尋ねた。

隠岐の島から気多の崎まで海を渡りたかったうさぎは、サメに「サメと兎どっちが多いか比べてみよう」と提案し、サメを並ばせ、その上を数えるふりをして海をわたったが、最後に「私はお前を騙してやったぞ」と言ってしまったので、一番端にいたサメに捕まり毛皮を剥がされてしまって泣いていた。
そうしていたら、
八十神にだまされて、その教えのとおりにしていると、全身傷だらけになってしまった。
オオナムチ は「すぐに河口の真水で身体を洗って、近くに生えているガマの穂を撒いて、そこに寝転がれば肌は必ず治るはずだから」と教えてあげた。
言われたとおりにしたら元通りに戻った白いうさぎは、因幡の白兎で「兎神」だった。
因幡の白兎は、大穴牟遅神
オオナムチ に「八十神の兄弟は決して八上比売(ヤガミヒメ)を得られないでしょう。袋を背負って賤しい従者のような姿をしていても、娶るのはあなたでしょう」と言った。
大国主へつづく
昔話昔々、海の向こうに因幡(いなば)の国を望む淤岐ノ島(おきのしま)に、一匹の白うさぎが住んでいた。

この白うさぎ、柔らかい草がたくさんある因幡の国に渡ることが出来たら、どんなにかいいだろうといつも思っていた。
ある朝、白うさぎは海を眺めながら、どうにか因幡の国に渡るいい方法はないかと考えていた。すると、そこにサメどんが海から顔を出した。海にたくさんの仲間がいるサメどんを見て、白うさぎは何かをひらめき、こう言った。
「見たところ、サメどんの仲間の数もかなり多いな。どうだ、数の比べっこをしようじゃないか?」
その方法とは、サメどんの仲間が因幡の国まで一列に並び、その上を白うさぎが跳んで数を数えるというのだ。翌朝、サメどんは仲間を集め、約束通り淤岐ノ島から因幡の国まで一列に並んだ。

もちろん、白うさぎは数比べなどする気など元より無く、これを口実にサメの背をつたって因幡の国に渡ろうとしていたのだ。そんな訳で、因幡の国が近づくと、白うさぎは得意になってこう言った。
「オイラの夢は、この因幡の国に渡ることだったんだ。それでお前さんたちを飛び石がわりにさせてもらった訳さ」
騙されたと知って怒ったサメどんは、仲間たちと一緒に白うさぎを襲い、皮を剥いでしまった。
毛皮を剥された白うさぎが、傷ついた体を休ませていると、そこに二人の旅人が通りかかった。旅人は、傷を治すには海水で体を洗い、風通しのよい岩の上で体を乾かせばよいと言う。白うさぎは言われた通りにしたが、塩が傷口にしみ、痛みはひどくなるばかりだった。

そこへ大きな袋を担いだ旅人がもう一人やって来た。この旅人は、まず川の真水で体を洗い、蒲(ガマ)の穂綿に包まって休むとよいと言った。白うさぎが言われた通りにすると、皮膚から白い毛が生えて、体は元通りになった。
白うさぎを助けたこの旅人は、なんと大国主(おおくにぬし)の神さまだったそうな。その後、白うさぎは因幡の国で幸せに暮らしたという。
- 大国主おおくにぬし=大穴牟遅神オオナムチ
- 八十神(やそがみ)は、大穴牟遅神(おおなむちのかみ=大国主神)の兄神たちの総称です。『古事記』の『オオクニヌシ物語』において、彼らは八上姫への求婚に同行したものの、大穴牟遅神が選ばれたことに激怒し、彼を殺害しようと幾度も企てます。
- 八上比売(やがみひめ):因幡の国八上郡(現在の鳥取市河原町周辺)の女神です。 出雲国の神々にもうわさが届くほどの絶世の美女だったといわれており、神話「因幡の白うさぎ」でうさぎを助けた大国主命と結ばれ、最初の妻となりました。
- 白兎神社
